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「まだ誰もやったことがないからです」
思わず唸った窪田正孝の芝居

『宙わたる教室』 第5話 ©NHK
『宙わたる教室』 第5話 ©NHK

 ただ、5話で最も印象に残っているのはラストシーンである。火星特有のクレーター“ランパートクレーター”を再現して教室に火星を作れないかと提案する名取に、藤竹は「いいですね、すばらしいです」と絶賛。アンジェラが「うまくいくのかな?」と不安げな表情を浮かべるのに対し、藤竹は「失敗なんてありえないです」という。長嶺から「どうしてだね?」と聞かれると、「まだ誰もやったことがないからです」と堂々と回答した。

 この時の藤竹の言い方がとにかく良い。科学はそういった糧の積み重ねで前に進んできた。誰もやったことがなければ、どのような結果になってもそれは糧になる。つまりは成功と言って良い。ここまで背中を強く押してくれるセリフはなかなかない。

 実際のところ、藤竹がこのセリフの真意を説明したわけではないので、もしかしたら筆者の見当違いであるという可能性は否めないのだが…。とはいえ、藤竹の口から「失敗なんてありえない」と言い切られると、妙な説得力を感じるし、ここまで理路整然としながらも常に温かみのある言動を見せてきてくれた藤竹の言葉だからこそ、前向きに捉えたくなってしまう。

 また、「まだ誰もやったことがないからです」と言うときの、藤竹はドヤ顔を浮かべており、どことなく茶目っ気も感じることから、筆者も生徒とたちと同じくついつい頬が緩んでしまった。このシーンは個人的に、何度でも見返したいベストシーンである。

 物語も後半戦に突入したことで、このような繰り返し見たくなるようなベストシーンが登場することに期待しながら、今週も窪田の演技に魅了されていきたい。

(文・望月悠木)

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【了】

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