ホーム » 投稿 » ドラマ » まひろでさえも勝てない…思わずひれ伏したくなるほどの最強キャラとは? NHK大河ドラマ『光る君へ』第43話考察レビュー » Page 3

川辺での一件でカリスマ性が増した道長

『光る君へ』第43話より ©NHK
『光る君へ』第43話より ©NHK

 どの時代においても己の信念を曲げない実資は本作の良心とも言える存在。部下たちのこともよく見ており、木の枝が目に入って痛みが取れない隆家(竜星諒)のもとにも見舞いに駆けつける。

 そんな実資から太宰府に目の病を治す薬師がいると聞いた隆家は、次の除目で大宰権帥に任じてほしいと直談判。その申し出が受け入れられたことによって、隆家よりも先に大宰権帥に名乗り出た行成(渡辺大知)の願いは叶わなかった。

 若い頃から道長に憧れ、彼が左大臣になってからはその右腕として活躍していた行成。しかし、道長が一条天皇(塩野瑛久)の第一皇子・敦康親王(片岡千之助)ではなく、自身の孫である敦成親王(濱田碧生)を無理やり東宮にしたことから不信感を抱くようになった。

 その心労で病が進行した一条天皇は譲位。そして、また三条天皇に譲位を迫る道長に行成はこれ以上、ついていけないと思ったのだろう。自分は正しいことをしているから皆の心が離れるとは思わないと実資に反論していた道長だが、実際に少しずつ周りの心は離れ始めていた。

 しかし、道長は「俺のそばにいろ」というたった一言で行成の心を繋ぎ止めてしまう。たしかに、あの川辺で一度死に生まれ変わったとも言える道長の覚悟は強く、以前よりもカリスマ性を増した。

 道長に認められることが何よりの喜びだった行成からしてみれば、そんなことを言われたら離れ難くなるのも無理はない。まるでダメな男だとわかっているのに、別れられない乙女のような顔を見せる行成に少し笑みがこぼれた。

1 2 3 4 5
error: Content is protected !!