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少女のためについた優しい嘘

『嘘解きレトリック』第6話 ©フジテレビ
『嘘解きレトリック』第6話 ©フジテレビ

 左右馬からのアドバイスもあり、その男性は利市であることにたどり着いたのだが、鹿乃子の耳には嘘の音が聞こえてしまう。「それ、探してたんだ」という言葉には、嘘はない。

 しかし、「これはお母ちゃんの形見なんだ」と言ったとき、嘘の音がキーンと鳴り響いた。ちょうどそのとき、九十九夜町でひったくり事件が発生していることが発覚。「若い男に手鏡を盗まれた」という女性に、その手鏡の特徴を聞くと、利市が持っている手鏡と一致してしまったのだ。

 鹿乃子は、「これはお母ちゃんの形見なんだ」という利市の言葉が嘘だと分かっているため、彼に疑いをかけてしまう。しかし、それは母親に置き去りにされてしまった少女・ヤイコ(永尾柚乃)のためについた優しい嘘だったのだ。

 その手鏡は、ヤイコの母親の形見なわけではない。でも、利市は彼女のために、嘘をついた。そして、その手鏡を心の支えにして、ヤイコは生きてきた。そう考えると、やっぱり嘘は一概に悪いものだと言うことはできない。

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