明るさと男らしさを使い分ける左右馬の魅力
「また1人でグルグルしてるんでしょ? その様子じゃ」
鹿乃子が落ち込んだとき、いつもスーパーマンのように駆けつけてくれるのが左右馬だ。「わたし、探偵助手やめます。先生に迷惑をかけたくない。真実を見誤って、人を傷つけるところでした。この力を、仕事にしちゃいけないんです」と鹿乃子が訴えても、「探偵助手をやめても、嘘は聞こえるんでしょ?」と飄々と返す。まるで、その能力を一緒に背負ってあげるよと言いたげな感じで。
「だから、一緒にいればいいんだよ」と、左右馬はどんなときでも鹿乃子を優しく受け入れてあげる。個人的に、「(一緒に)帰ろう」と言ったあと、ちょっぴりおどけた感じで、鹿乃子の頭をお面でポンと叩いた左右馬に、心を奪われてしまった。
左右馬は、いつもふざけて見えるけれど、ちゃんと真面目な話をすることもできる。でも、ずっと暗いわけではなく、空気の切り替えもうまい。そのギャップに、心奪われている人も多いのではないだろうか。鹿乃子が寒そうにくしゃみをしたとき、そっと自分が着ていたジャケットをかけてあげた場面も、ベタではあるがときめいた。
「誰かのそばにいられることが、ひとりじゃないってことだと思ってた。自分のことは信じられなくても、先生のことは信じられる。ようやく、わたしはひとりじゃないって、どういうことなのか分かる気がしました」
ようやく、自分の居場所を見つけることができた鹿乃子。今まで苦しんできたぶん、これからは心許せる左右馬の隣で、心穏やかに過ごしてほしいと思う。
(文・菜本かな)
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