ホーム » 投稿 » ドラマ » 安達祐実の温度差がヤバい…地獄みたいな状況なのに笑える理由とは? ドラマ『3000万』第6話考察レビュー » Page 3

負のループから抜け出す勇気がない祐子と義光

『3000万』第6話 ©NHK
『3000万』第6話 ©NHK

 今は祐子たち家族だけではなく、日本全体が先の見えない時代に突入している。給料は一向に上がらず、物価や税金ばかりが高くなって生活は楽にならない。

 子供は贅沢品と言われ、共働きでどうにか頑張っている世帯も多いが、年金だけでは足りない老後の資金も貯めねばならず、金銭面で親に頼れない子も多いと聞く。

 祐子と同じように一日中、お金のことを心配している人も多いだろう。そんな中で、真っ当に生きるのはもはや至難の業だ。

 今、世間を賑わせている闇バイトだって、小遣い稼ぎのつもりで安易に始めた人もいるだろうが、中には藁にもすがるような気持ちで手を出した人もいるはず。

 3000万に目が眩んで自分たちのものにしようとした祐子と義光も馬鹿だなあとは思うけれど、自分がその立場に置かれたら、どうだろう。金額の大きさにかかわらず、他人のものを盗んだらそれは犯罪だが、小さければ小さいほど、そのハードルは低くなってクラっとするかもしれない。
 
 だけど、その選択の責任は取らなくちゃいけない。祐子が情報を抜き出し、強盗被害に遭った女性は子供と孫のために貯めていたお金を盗まれた。

 息子の純一(味元耀大)も真実を知り、過呼吸になるほど苦しんでいる。ほんの少し幸せな生活を求めてやったことは祐子たち自身も周りも、不幸せにしただけだった。それでも負のループから抜け出す勇気がない祐子と義光に気づきを与えたのは、奥島の歌だ。

1 2 3 4
error: Content is protected !!