ヒール役を演じた加瀬の悲しい最期
加勢が“闇落ち”したのは、明日香を亡くした喪失感と、真相を隠蔽された無力感からなのだろう。明日香を轢いたのは揮一で、当時ひき逃げ事件を担当していたのは高見だった。だから加勢は高見に罪を着せようとしていたのだが、その復讐心を黒幕にうまく利用されたようにも思えてしまう。
飛鷹と別れた加勢は、黒幕とおぼしき人物に呼び出される。待ち合わせ場所に到着し、声のする方へ向かうと、そこには爆弾があった。爆発に巻き込まれた加勢は、瀕死の状態で「ドブになんか捨てなきゃよかったよ」と己の“正義”を手放したことを悔いる。
そんな死に際を見てしまうと、加勢は悪だったのではなく、ヒール役を演じていただけなのかも、と。なんとも無念漂うラストに、チクチクと心が痛んだ。
このシーンは、結城倫子(白石麻衣)の父・真一(平山祐介)が殺害された警察官連続殺人事件を想起させた。連続殺人事件の犯人と、警察内部を牛耳る人物は同じなのだろうか?
「HIDE&SEEK」のファイルが、何者かによってリアルタイムで更新されている点も気になる。何にせよ、飛鷹と不破が、“悲劇の人”加勢の敵を討ってくれることを願ってならない。
(文・西本沙織)
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