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遠藤憲一×あのちゃんのバディに泣かされた…思わず惚れ惚れしたもう1つのコンビとは? ドラマ『民王R』第4話考察レビュー

text by 田中稲

遠藤憲一が主演を務めるドラマ『民王R』(テレビ朝日系)が放送開始した。本作は前作『民王』から9年ぶりの続編。池井戸潤の原作をインスパイアし、総理大臣が全国民を対象に、心と体が入れ替わる痛快政治エンターテインメントだ。今回は、第4話のレビューをお届けする。(文・田中稲)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】

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【著者プロフィール:田中稲】

ライター。アイドル、昭和歌謡、JPOP、ドラマ、世代研究を中心に執筆。著書に『そろそろ日本の全世代についてまとめておこうか。』(青月社)『昭和歌謡出る単 1008語』(誠文堂新光社)がある。CREA WEBにて「田中稲の勝手に再ブーム」を連載中。「文春オンライン」「8760bypostseven」「東洋経済オンライン」ほかネットメディアへの寄稿多数。

エンケンがかわいいおばあちゃんにしか見えない!

『民王R』第4話©テレビ朝日
『民王R』第4話©テレビ朝日

『民王R』最大のピンチ!? 今回の入れ替わりは、臨終間際の高齢女性・トメ(丘みつ子)。えっ、ということは、今回は、総理(の心)はずっとベッドの上…?

 はてさて、物語はどう動くかと思いきや、まさかの、エンケン&あのちゃんの年の差を超えた友情演技に、何度も泣かされるという事態に――。

 今回は、泰山(遠藤憲一)の中に入ったトメさんが、年の功を活かして政策やイベントで活躍し、総理の好感度を上げる、という展開はない。政治とは少し距離を置き、ずっと我慢し続けてきたトメさんの人生の「夢を叶える」回であった。

 夫が働き、妻が家庭で支え、「耐えて待つ」ということが当たり前だったシニア世代。専業主婦のトメさんも、すべてを夫と子どもに捧げた人生だった。

 三途の川で、「どうせ死ぬなら、好きなことして死にたかったな」と呟いた瞬間、泰山と入れ替わるあのシーンを見ただけで、こちらも「トメさん、泰山の体を借りて、自由にやりたいことをすればいいよ(泣)。今回の『民王R』はそれだけでいいよ!」と見守り体勢に入ってしまった。制作側の思うツボでR!

 武藤泰山の姿のトメさんは、カフェで働いたり、爬虫類カフェに行ったり、伸び伸びと自由を満喫する。なんだかもう、その姿だけで目頭が熱くなる。予告で観て「げっ」となった、遠藤憲一のウェディングドレス姿で泣くとは思わなかった。

 ワニ顔なのに、かわいいおばあちゃんにしか見えない(泣)。そして、それに振り回されるのが、秘書の冴島(あの)。病院を聞き出すため、彼女の「死ぬ前にやりたいこと」につき合っているうちに心通わせ、全協力体勢に入っていく姿がとても自然だ。

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