それぞれ罪深いけれど救いもあって欲しい…!
以前のモラハラまがいな宏樹に戻っても仕方がないくらいの絶望感なのに、美羽のことを問い詰めもせず、変わらず栞を可愛いがる。
栞のハーフバースデーには、本物の家族である美羽と栞、そしてそうでない自分の決して埋まらない溝のようなものをスマホの画面越しに感じて、思わず涙を流してしまったけれど。空気を壊さないように、家族を壊さないように。自分を抑え込んだ宏樹がとにかく健気で悲しい。
水木莉紗(さとうほなみ)が冬月へ想いを伝えたり、冬月が宏樹を美羽の旦那と知ってしまったり。美羽をとりまく周りにも動きがあった。冬月は初めて実の娘である栞と会い、その存在を知ることになったが、まさか自分の子どもであるとは毛ほども思っていないだろう。でも、栞の年齢から逆算して気づく場合もあり得る。
元をたどれば不倫と托卵の原因は宏樹のモラハラにあると言えなくもないが、宏樹も自分に非があることを承知しているし、それ相応の努力をしてきた。だからこそ、宏樹が起こした無茶な行動には、余計に思いを馳せてしまう。
栞は自分の子じゃないとわかっていても愛情を注ぐ宏樹は、もう本物の父親と言っていいのではないだろうか。どうにかバランスを保ってきた幸せが、ひとりの正義によって崩壊の一途をたどっていく。みんなそれぞれ罪深いけれど、そろそろどこかに救いがあってほしい。
(文・西本沙織)
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