森川葵の圧巻の芝居…イライラしながら見ていた”篠谷”のことが好きになれたワケ。 ドラマ『放課後カルテ』第6話考察レビュー
text by まっつ
松下洸平主演のドラマ『放課後カルテ』(日本テレビ系)が放送中。本作は、小学校に赴任した口も態度も悪い小児科医が、類稀なる観察眼で児童の異変に気付き、未来へ向かう子どもたちの背中を押す保険室ヒューマンコメディ。今回は第6話のレビューをお届けする。(文・まっつ)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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【著者プロフィール:まっつ】
1993年、東京生まれ東京育ち。本職はスポーツウェブメディアの編集者だが、エンタメ・お笑いライターとして修行中。1週間に20本以上のラジオを聴く、生粋の深夜ラジオ好き。今一番聴くべきラジオは『霜降り明星のオールナイトニッポン』。好きなドラマは『アンナチュラル』、『いちばんすきな花』、『アンメット』。
生徒からの悪口に苦しむ篠谷(森川葵)…。
先生も一人の人間なんだ。
『放課後カルテ』(日本テレビ系)を見ていると、そんな当たり前のことに改めて気付かされる。
16日に放送された第6話。初めて6年生の担任を持った篠谷(森川葵)は日々の業務に忙殺され、寝坊が目立つように。不眠と食欲不振が続く中、「篠谷先生としゃべった人、ムシしようね」と書かれたメモ書きを教室で発見し、心身ともに追い詰められていく。
『放課後カルテ』に限らず、いわゆる学園モノのドラマを見ていても、教師というのは最も大変な職業だと感じる。子供の成長と密接に関わっているし、職員室内での同僚はもちろん、子供の親とも向き合わなければならない。成長を誰より近くで見ることができるのが大きなやりがいとなることに違いはないが、同時に大きな責任感も伴う。
人に頼るのが苦手で、すべてを抱え込んで追い詰められる篠谷を端から見ていると同情してしまうが、全国の教職員はまた違う感情を持ったのではないだろうか。
そんな苦境に陥っていく篠谷を牧野(松下洸平)は当然見逃さず、鉄欠乏性貧血と診断する。しかし、篠谷は「ただの貧血」と牧野の忠告を無視し、学校で倒れてしまう。さらに、「授業も担任も持たない保健室の先生にはわかりませんよ。忙しい上に色々あるんです」と言い放つ。