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「みんなのことが知りたい」
寄り添うための第一歩

『放課後カルテ』第6話©日本テレビ
『放課後カルテ』第6話©日本テレビ

 思えば、篠谷はここまで視聴者の不満をためやすいキャラクターだった。生徒に寄り添いたいという思いが先行して空回りし、もっと頼られたいという気持ちから牧野にも嫉妬してしまう。

 教師としても人としてもまだまだ未熟であることが強調されてきただけに、「どうしていつもそうなるんだ?」といらだちにも近い感情が見て取れる牧野は視聴者の思いも代弁する。

 気を張っていても睡眠不足であれば、子供たちの些細な変化にも気付けない。働きたいという意欲があってもベストパフォーマンスにつながらないと指摘する牧野の語気は強いが、「自分はその程度だと自覚すること」こそ今の篠谷に必要なこと。

 篠谷を少しイライラしながら見ていたはずが、時間に追われがちな現代人にも当てはまる言葉には思わず耳が痛くなる。

 ようやく少しずつ心身の健康を取り戻し始めた篠谷。次に向き合ったのは受け持ちの生徒である凛(中田煌理)だ。クラス内での同調圧力に惑わされる彼女はコンビニで色付きリップを万引きしてしまったが、篠谷は姿を見ながら声をかけることはできなかった。

 しかし、そんな彼女との問題を解決するため篠谷は動き、保健室で自分自身も泣いたと打ち明ける。

 さらに、「みんなのことが知りたい」とまっすぐに伝える姿は、第4話で「お前のことを助けたい」と生徒に語りかけた牧野ともどこか重なる。確かに篠谷は、子供たちに“寄り添う”ための一歩目を踏み出すことができたのではないだろうか。

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