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子供は見てないようで見ている

『放課後カルテ』第6話©日本テレビ
『放課後カルテ』第6話©日本テレビ

 最後に篠谷が突き進んできた道も間違いばかりではなかったことがわかる。一時は全員が自分のことを避けているように見えた生徒たちが、実は自分のことを心配して牧野のもとに相談へ来ていた。

 子供は見ていないようで見ている、聞いていないようで聞いているという事実は教師だけではなく、子を持つ親にとっても勇気を与えるラストになったはずだ。

 児童だけではなく、教師の葛藤も描いた第6話。篠谷を演じる森川の演技力は今さら言うまでもないが、徐々に疲弊していく様子から、苦悩を打ち明け、そして自分自身を見直して生徒と向き合うまで圧巻。生きていれば多くの人が通ったことがあるそれぞれの状態を丁寧に拾い上げ、篠谷という人間の輪郭をくっきりと浮かび上がらせた。

 森川のそうした力もあって、なかなか感情移入しづらかった篠谷のことを少し好きになれたという人もきっと少なくないだろう。牧野との出会いを通して成長したという点においても重要な回となっていた。

(文・まっつ)

『放課後カルテ』(日本テレビ系)
毎週土曜よる9時放送

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