粒来(古田新太)が一気に状況をひっくり返す
裁判は、原告側である亮子の優勢で進んでいく。生前のマサルは認知症の傾向があり、記憶があやふやになってた。そこに付け込み、遺言書を書き換え、素子に3億もの大金が手に渡るようにしたのではないか、というのが原告の主張。
しかし、敵がまだ大した活躍を見せていないうちから主人公が勝利を確信するような流れは、むしろ敗北フラグのようなもの。亮子の勝ちでほぼ確定、と思われた局面で、粒来がひっくり返す。
粒来が提出したのは、生前のマサルが遺したという動画ファイルだった。
画面上のマサルは、岡本プレミアクリニックの理念に惚れ、いつか未来の医療を変えることになるかもしれない、それに賭けたいと考え、贈与に踏み切ったと語る。そして、自身で新たな道を切り拓く力がある娘のエマに、自分の考え方や財産を受け継がせることは誤りだった、自分はただ娘を信じるだけだと言い残していた。
動画を見たエマは「パパがいる」と喜びの涙を流す。エマも、父の遺産を手に入れたくて訴えを起こしたわけではない。自分が憧れた、元気だったころの凛とした父の姿が失われたことが悲しく、認めることが出来なかった。
決断力に優れた経営者としての姿がまた見られたこと。何より、父が自分に期待をかけてくれていたことを知ったエマは、訴えを取り下げることにした。