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撫(玉井詩織)ほど同情の余地がない悪役もめずらしい…。

『あのクズを殴ってやりたいんだ』第7話 ©TBS
『あのクズを殴ってやりたいんだ』第7話 ©TBS

『花のち晴れ〜花男 Next Season〜』(2018、TBS系)の愛莉(今田美桜)など、恋愛ドラマにおいてヒール役が登場することはあるが、撫(玉井詩織)のように同情の余地がないほどの悪役もめずらしい。

 ただ、彼女の気持ちがまったく共感できないわけではない。同期入社のみんなが、ほこ美のことをちやほやしているだけでも気に障るのに、好きな人・大葉(小関裕太)の恋の矢印まで、ほこ美に向いている。
 
 しかも、ほこ美の性格が悪かったりと、ちょっとでも悪く思える部分があればストレスも発散できるのかもしれないが、ほこ美はいい奴すぎるくらいにいい奴だ。つい、『ブラッシュアップライフ』(2023、日本テレビ系)に登場した「あんだけ優秀で性格までいいって、むしろ性格悪いよね」という台詞を思い出してしまった。

 しかし、大人なんだし、「同期のなかでほこ美がいちばん嫌いだったの」なんて言葉を本人にぶつける必要はない。「ほこ美が悪いんだからね」と責任を押し付けるのも、お門違いだ。もちろん、ほこ美の足を引っ張るために、パソコンを隠すなんていうのも、もってのほか。

 ただ、撫をそそのかしている“黒幕”は、海里のルームメイト・悟(倉悠貴)な気が…。悟はなぜそこまでしてトラブルを巻き起こそうとするのか。やっぱり、いちばんの癖者は彼なのだろうか。

 悟が、大地(大東駿介)の墓(?)らしきものを意味ありげに見つめているシーンもあったが、もしかすると7年前のあの事故と何らかの関わりが…? 大地の弟だったりする可能性も考えられるが、どうだろう。

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