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2022年に起きた「トー横のハウル事件」を彷彿…。

『民王R』第5話©テレビ朝日
『民王R』第5話©テレビ朝日

 今回、もう1人ゾッとしたのが、「味方のような敵」の金髪の男性だ。

 キッズたちに、コンビニのおやつを買って配り、居場所が必要だと語る。一見やさしく思慮深いその行動に泰山(体は秋保)は感動し、協力を頼んでしまうのだ。

 しかし、その金髪男は少女たちへのわいせつ罪で逮捕される。秋保が慕っている女の子、ユキ(近藤華)も彼の被害者だったのだ。

 この、相談できると思っていた大人に裏の顔がある、というエピソードは、2022年に起こった「トー横のハウル」事件を彷彿とさせる。トー横で(自称)ボランティアをし、少年少女の相談にも乗っていた「ハウル」と名乗る男性が、知り合った少女にみだらな行為をしたとして逮捕されたのだ。(ハウルは11月22日の初公判を前に東京拘置所で死亡)。

 家に帰っても虐待され地獄。唯一集まれるトー横も、優しい仮面をかぶりながら、弱い彼らを狙う人がウロウロ。

 一番その怖さを知っているストリートキッズを「有識者の方々」として政治討論会に招き意見を聞くシーンは、ドラマだからこそ叶う未来だ。

「家庭は乖離し、その隙間で子どもは今、死にかけている。目を背けるのはやめないか。わかりあえないはずはない。だって、彼らはかつてのあなたたちで、あなたたちは、いつかの彼らなのだから」。

 秋保の体で政治家に問う、泰山のこの言葉は確かに感動的だ。ただ、泰山自体が一番わかっているはずなのだ。自分を含め、政治家たちは、目を背けていたのではなく、見ようともしていなかったことを。

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