まさか坂本(木原勝利)の印象がこれほど変わるとは…。
また祐子に負けず劣らず、このエピソードで大きく印象が変わったのが坂本だろう。組織で這い上がるために、自分の弱みである怒りっぽい性格を変えようと、アンガーマネジメント講座や写経で感情のコントロールに努めるなど、意外と実直で人間味もある坂本。
だが、依然としていつ爆発するか分からない怖さは残っていたが、意外と冷静で常識的なことがわかる。坂本は大津に始末するように言われていたソラを逃がしていたし、祐子を脅しはしたものの、本当に純一を拐うつもりはなかった。
それは報酬とコストを天秤にかけ、割に合わないと判断したからに過ぎないが、ただ闇雲に人に危害を加える人間ではないということだけは分かる。祐子を心配するソラにかけた「情はやっかいだぞ、目が濁る」という言葉には、過去の反省も混じっているように思えた。
あるいは大津が捕まってからしばらくの間、ホテルにこもって写経に努めていた成果が現れているのかもしれない。そういう変に真面目で不器用なところが我々からすると愛らしく感じるが、出世につながらない理由でもあるのだろう。
本当に怖いのは、何を考えているか全く読めない人間。祐子たちの動きに気づいていた末次の策略にハマり、坂本は逮捕されてしまう。
司令塔を失った3人はそれでもこの作戦を続けるのか。長田や義光がまだ知らない、蒲池(加治将樹)の一件も新たな火種になりそうな予感だ。人を一人死なせてしまったという大きな罪が、このまま無かったことになるわけがないだろう。
次週、ついに最終回。次々と予想外の出来事が起きる本作から最後まで目が離せない。
(文・苫とり子)
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