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宮崎莉里沙が演じた中井雫のいじらしさ

『相棒 season23』第5話 ©テレビ朝日
『相棒 season23』第5話 ©テレビ朝日

 そんな今回の見所は2つ。

 1つ目は、2016年生まれの宮崎莉里沙が演じた中井雫のいじらしさだ。

 彼女は半年前から呼吸器疾患を患っており、療養の為に母親とホテル暮らしをしている。そして父親は毎週末欠かさず娘の為に足を運んで優しく療養に協力する。

 雫の両親は彼女が呼吸器疾患になる以前から別居状態で、きわめて仲が悪かった。父も母も大好きな雫は、療養中に週1で家族が揃うことを喜んでおり、自身の病が完治したらその幸せが壊れてしまうのでは思った結果、薬を飲まなかったり空気の環境を悪くしたりと治療を拒否するようになってしまう。

 最終的には特命係とホテル支配人である織田の活躍で、雫の本意が両親に伝わり、家族再生の希望を抱かせるような終わりとなっている。

 将来昆虫学者を目指し特命係以上に昆虫に詳しいというキャラクターに注目が集まりがちだが、年相応に繊細な一面があるのが素敵だ。

 過去にはシーズン2「神隠し」でDVや不倫によって険悪な関係にある両親に改心してもらうため、年若い娘が神父やホームレスに協力してもらい、一大狂言誘拐事件を引き起こすというエピソードがあり、今回はこのエピソードを思い起こさせた。

 長年『相棒』を観ていると、時代が移り変わっても人間の本質は変わらないということを強く感じさせられることが多い。

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