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マスター(北村一輝)の言葉に共感

『わたしの宝物』第6話 ©フジテレビ
『わたしの宝物』第6話 ©フジテレビ

 夫婦には夫婦にしかわからないことがあるし、他人が口を出すことではない。宏樹に不倫を告げ口したことをはじめ、ナンセンスな行動を重ねた真琴に、苛立ちを覚えた視聴者も少なくはないだろう。

 喫茶店のマスター・浅岡(北村一輝)が口にした「あんたが動けば動くだけみんな不幸になってんじゃないの?」「正義振りかざすのも程々にしないと」「あいつらの正解をさ、あんたが決めんなよ」というセリフは、真琴に対してモヤッとした感情を抱える視聴者の声を代弁してくれた。

 第2話で会社と家庭に疲弊する宏樹の“青たん”を1つ消し去ってくれた時から、浅岡には信頼しかない。宏樹が美羽のもとへ戻ってきたのも、彼の言葉がきっかけだった。

 美羽との話し合いの時、テーブルを挟んで向き合うわけでもなく、ソファーに横並びになるわけでもなく。薄暗い部屋で数メートル離れて会話する2人の距離感が、なんとも切なかった。美羽は栞を「宏樹の子だと思っている」と言うが、さすがに無理があるし、その言葉は宏樹にとって一番つらいもの。どうしたって栞は宏樹の子ではないし、栞の本当の父親は別にいるのだから…。

 美羽は宏樹がいつからか怖くなり、裏切ってしまった。許されることではないが、宏樹が精神的ストレスを1人で抱えていたように、美羽は美羽で弱音を吐ける場所がなかったのかもしれない。そこを考慮すればお互い様、と言えなくもないけれど。どうしても産みたくなったのは、栞がお腹の中で育つにつれ愛おしくなったからなのか、それとも冬月の子だったからなのか…。

 宏樹と栞と生きていきたいと伝えつつも、美羽は本当の父親である冬月の存在だけは明かさなかった。隠すということはそれだけ大切な人であると解釈した宏樹は、薬指にはめていた結婚指輪を静かにはずす。「そいつと育てればよかったじゃんか」と、悲痛な叫びをあげる宏樹には思わず胸が締め付けられてしまう。

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