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自分の靴下の片方を誰かが持っている安心感

『マイダイアリー』第5話 ©ABCテレビ
『マイダイアリー』第5話 ©ABCテレビ

 広海はかつての友人・克弥が自分とは違う世界にいることを知ったし、アルバイト先でも留学先の大学でもうまくいかなかった。しかし、彼には「おかえり」と言ってくれて、鍋を囲んで笑い合える仲間がいる。

 自分を大切に思ってくれる仲間の中には、靴下の片方を持っていてくれる優希(清原果耶)がいる。広海は「消えた天才」というタイトルで自分が記事になること、この記事のタイトルをきっかけに自分はどこにいるのかと改めて疑問を抱くようになったと、彼女にだけは打ち明けた。さらに、誰かと靴下のようにふたつでひとつになることで、あの人たちは変だと他人を巻き添えにすることの不安を語った。

 優希は「買いに行こうか 靴下」と広海を誘い、ふたりはコンビニで靴下を買い、優希の案で片方ずつ交換しあった。

「変かどうかは 誰かに決められるものじゃない 自分で決めるものだよ それに自分の靴下の片方を誰かが持ってるって思ったら なんか あるって実感 湧かない? 嫌なものに取り込まれそうになったときに こんな状況だけど そういえば 私の靴下の片方 今 あの人の家にあるんだよなって思ったら 自分 ちゃんと あるって気しない?」

 広海は自分のせいで誰かを巻き込むことを恐れていたが、彼は優希という片方の靴下を持っていてくれる人に出会えた。

 広海の巻き添えになることを迷惑だと思わないのは優希だけではない。虎ノ介はアルバイト先で広海の巻き添えになったわけだが、虎ノ介は彼のために職場で謝ったことではなく、広海に配膳のアルバイトを提案したために彼の心を傷つけた自分に対して嘆いていた。

 利己的な人も存在するし、不器用な人にとって社会は生きづらいかもしれない。しかし、相手をいつくしみ、自分の不利益よりも相手の心を心配する人が存在するのも事実だ。

 この世界で生きていくためにもっとも大切なこととは、「おかえり」と言ってくれる人たちの優しさに怯えないことなのだと思う。

 本放送においても厳しい社会にひっそりとある優しい空間をのぞき見れたような気がする。

(文・西田梨紗)

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