れいかとは対照的な聡(渡邉斗翔)
何でも口にしてしまうれいかに対し、不登校の児童・聡(渡邉斗翔)は家庭で問題を抱えている。父親が家を出ていってから部屋にこもるようになり、母の順子(市川)ともほとんど顔を合わせていない。
父親の元にバスへ乗って向かう車内でも、何でもかんでも口に出すれいかと、質問されても口をつぐむ聡の姿は対照的だ。
もちろん、どちらが良いとかではなく、れいかの言うように「足して2で割ったら」ちょうどいいのかもしれない。しかし、現実ではそんなことはできないし、学校という社会の中で少しずつ学ぶ必要がある。
いつ黙り、いつ喋るべきなのか。大人になったら当たり前に空気を読んで、自然にそんなことをやっているが、どこで手にした能力かと考えると皆目検討もつかない。だが、『放課後カルテ』ではその“瞬間”を明確に描き出す。
病院のベッドで点滴を受ける聡の元へ病院で働く順子が仕事の途中でやってくる。しかし、背を向けて言葉を発さない聡に対して順子は「話したくないよね」と仕事に戻ろうとしてしまう。そんな折、れいかは父親の元に2人で向かったこと、すでに仕事を辞めていて会えなかったことを明かす。
さらに、牧野が「お前は謝って欲しいのか」と問うたことで、ついに聡は胸の内をさらけ出すことを決心。喧嘩ばかりする両親に「別れればいい」と言ってしまったこと、そのせいで父親が出て行ったのではないかと思っていることを打ち明けたのだった。