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ルーティンのない旅行への恐怖

『ライオンの隠れ家』第7話©TBS
『ライオンの隠れ家』第7話©TBS

 洸人はライオンと美路人(坂東龍汰)に、旅行に行こうと話をする。だが、旅行は美路人にとってルーティンを壊すことに他ならない。どこに行くのかと興奮気味のライオンに対し、美路人は断固反対する。

 もちろん洸人は自分の意見を押し通すことはせず、「3人で旅行に行きたい」と伝えた。それまで考えたことがなかったわけではないだろうが、いつになく必死に思いを伝える洸人の言葉の端々から、美路人も「お兄ちゃん(=洸人)にもしたいことがある」ことを認識。さらに洸人が語ったこれまで過ごしてきた2人の時間や、亡き両親に思いを馳せ、美路人は静かに涙を流した。

 これがきっかけとなって、美路人も旅行を承諾する。そして、ルーティンのないこの旅行が、美路人を少しずつ変えていく。

 美路人も懸念していた仕事だが、必要な打ち合わせはリモート会議で行うことに。船木(平井まさあき)に、画面越しにどんぐりを食べさせようとしたり、本題に入る瞬間にPCを閉じてしまったりと、その行動はなんとも愛おしい。

 また、出発の日にはコンビニ前でたむろしている学生を警戒し1人でコンビニへ行けなかったが、滞在先では初めての土地でお肉を買ってくることができた。1kgのお肉を前に「明日も食べられるね」と顔をほころばせる洸人までセットで、すごくやさしい世界だ。そして、眠そうにしているライオンが「みっくんと寝る」と言えば、22時にならずとも一緒に寝ることを選択してあげる。

 ルーティンとは違う行動をすることはきっと不安もあるだろう。もしかするとストレスを感じているかもしれない。でも同時に、お肉を買いに行けたことなどは、美路人にとっても新たな自信をもたらしているはず。自分の意志とは異なっても、そのときの状況に応じて生活をしていくことで、美路人から見える景色がさらに彩りのあるものになったらいいと願わずにはいられない。

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