過去を想像したくなる小林虎之介の演技
第6話での、コンピューター部の部長・丹羽要(南出凌嘉)と丹羽の自宅で話すシーンもクールで良い。丹波の弟は、両親の離婚をキッカケに精神的に不安定な状態で、感情が昂って家具を壊すこともしばしば。
そのことを丹羽から聞かされた岳人は「親を殴るっつうのはな、そう簡単にできることじゃねぇんだよ」「そんなことしちまったら相手だけじゃなくてきっと自分まで壊れちまう。だから自分守るためにも代わりに物をぶっ壊すんだ」「家の中をめちゃくちゃにすんのはさ、誰かを傷つけたいんじゃない、きっとその逆だ」と弟の気持ちを察した。
2話で見せた暑苦しい優しさとは対照的に、ここでは落ち着いたトーンで、目の前の丹羽だけでなく弟にまで寄り添う。自身も荒れた過去を持ち、弟の気持ちが分かる岳人だからこそのセリフである。
岳人の過去の葛藤を想像させるに余りあるその表情と話し方に、強く心を打たれた場面だ。