綱啓永と久保史緒里の魅力
あらためて綱啓永と久保史緒里の演技に魅せられた人も多いのではないだろうか。
2022年のドラマ『君の花になる』(TBS系)で一躍世間の目に止まり、今年は月9ドラマ『366日』(フジテレビ系)への出演もはたした綱は、今作がNHKドラマ初出演にして初主演。真面目で不器用で少々カタブツなところはあれど、何事にもひたむきな頼人は綱自身の魅力も重なり、その一挙一動を応援したくなる愛すべき主人公になった。
“アイドル”という枠組みだけに止まらず、ラジオや舞台など幅広い活動を行う久保は、2023年の大河ドラマ『どうする家康』(NHK総合)の好演が光り、今作のチャンスを射止めたのだろう。すっかり保守的になっていた凛が、自分を縛りつけていたあらゆるものを象徴する“メガネ”を外し、堂々としたヒロインへ覚醒した瞬間、その圧倒的なオーラに、すっかりやられてしまった。
個人的な“推しキャラ”は、ロボツクールの中枢を担うブレーン(東野絢香)。
革新的な発明を次々に繰り出す奇才で、東野の澱みない関西弁も心地良い。ロジカルな性格でありながらも情に厚いブレーンは、物語に勢いを与える存在だ。高橋克典や坂井真紀などベテラン勢の実力も合わさり、フレッシュな魅力を放ちながらも、しっかりと芯を感じる作品に仕上がった。