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恋をすることで自分の感情を見つける、ピュアな物語に

ドラマ『離婚後夜』第6話(C)ABC
ドラマ『離婚後夜』第6話 ©ABC

―――タイトルと内容のギャップが大きい作品かなと思うのですが、原作や脚本を読まれていかがでしたか?

佐藤「原作は香帆が主人公で、元夫と伊織との間で揺れる葛藤が主に描かれているのですが、ドラマでは伊織を主人公にすることになり、純愛というキーワードをいただいていました。脚本を読んで、人を好きになることがどういうことかわかっていない無垢な主人公が、恋をすることで新鮮に自分の感情を見つけていく感じが回を追うごとに描かれていた部分は印象に残っています。

一方の香帆は、恐らく夫の真也としか付き合ったことがなかったと思うんです。なので、彼女は彼女で、真也以外の誰かを改めて好きになるっていう気持ちと向き合っていく。そういう意味で、2人の初恋を撮ってあげられたら、と思いました」

川和田「自分は原作を、香帆がずっと失っていた自己肯定感のようなものが伊織との出会いによって少しずつ回復していって、自分で立って生きようと思えるまでの物語として読んでいました。それはそれですごく心を打たれたんですけど、主人公を伊織としたときに、ピュアな恋愛を描こうという方針は、みんな一致していましたね。現場で撮っていてもすごくキュンキュンする場面も多くて、楽しかったです」

多賀「この作品には真也とかアカリとか、すごいことをする人も出てくるじゃないですか。だけどそれが脚本に落とし込まれたときに、原作にはなかった香帆と真也の幸せだった時間の回想などのキャラクターのバックグラウンドを足していったことで、レイヤーが深くなったんじゃないかなと感じています」

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