最後まで視聴者を飽きさせなかったストーリー展開
そんなこともあって、途中から祐子たちの目標は3000万を手にすることではなく、平穏な日常を取り戻すことになっていく。最終的には散々振り回されてきたソラ、自分たちを脅してきた坂本(木原勝利)や長田(萩原護)と手を組み、組織のボスを倒そうとするどんでん返し。
坂本は逮捕されてしまったが、祐子は3人だけでボスの自宅に乗り込むという、この観ている人を最後まで飽きさせなかったストーリー展開は、きっと4人のライターが「ああでもない、こうでもない」と議論する中で生まれたものなのだろう。年齢も性別も生い立ちも経験も一人ひとり異なる人間が集まれば、こんなに新しいドラマが生み出せる。
本作は、「WDRプロジェクト」の意義を示すには十分な作品だったと言えよう。
組織のボスは穂波悦子(清水美砂)という日中は税務署で働く普通の中年女性だった。この展開も、実に示唆に富んでいる。
祐子たちの3人は消防設備点検を偽って悦子の自宅に侵入した後、彼女を縛り付け、3000万と、祐子が掛け子のバイトをする際に提出した履歴書を探し始める。そのありかとなる隠し部屋には、膨大な資料が保管されていた。新聞に掲載されている事件のあらまし、取材記録、人心掌握術に関する本など、おそらく悦子はそれらを組み合わせて組織を作り上げてきたのだろう。