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門真衛の謎の服毒死が示すもの

『オクラ〜迷宮入り事件捜査〜』第8話 ©フジテレビ
『オクラ〜迷宮入り事件捜査〜』第8話 ©フジテレビ

 そんな折、加勢英雄(中村俊介)の殺害容疑で逮捕された元警察官・門真衛(山中聡)が取り調べ中に服毒死。身体検査をしたにもかかわらず毒入りのカプセルを持ち込めたのは、警察官の誰かが手渡したからなのではないか。

 第3話の「東京シンフォニーホール爆破事件」の犯人が同じく謎の服毒死を遂げていることからもその説は濃厚で、徐々に警察内部の卑劣さが浮き彫りになってくる。

 門真は死ぬ前に捜査のヒントをこぼしていた。爆弾は遠隔操作できるのに、実行犯はわざわざ現場近くへ赴いていた、と。不破は鷲沢泰造(宇梶剛士)とペアを組み、10年前に久常未来(渋谷謙人)が爆弾で殺害された現場付近へ向かう。

 鷲沢は3分しか稼働できない居眠り刑事というキャラクターだったが、久常が殺された事件には並々ならぬ熱を持っていた。鷲沢と久常の関係は、ただの教育係と新米刑事というより、まるでざっくばらんに何でも語り合える父と息子のよう。何もしてやれなかったと悔みながら、“昭和刑事”のやり方で地道に不器用に真実を探る姿は、見る者の胸を熱くさせた。

 これまで“フルフェイスの男=門真衛”をゴールに捜査が行われていたが、実行犯は別。自らの正体をカムフラージュするために誘導役を選んだのだとしたら、実行犯は門真とは対照的な女性の線もある。実際、現場近くには女性専用のフィットネスジムがあった。当時の捜査資料でも「“フルフェイスの男”が駆け込んできたか」としか聞き込みされておらず、まさに盲点を突いた企みであったことが窺える。

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