「『鷹野のように生きなさい』と言われている気がした」
―――鷹野ほど仕事ができないと、ともすると視聴者が見ていてイライラしてしまうキャラクターになりかねないと思います。ですが、ドラマを見ていると、どこか嫌いになれない愛おしさもありました。
「彼女の持つ素直さや愛嬌が、愛されるキャラクターに寄っていってくれたと思います。鷹野はわからないことに知ったかぶりしたり、自分を偽ったりしません。悪気のない子供のように、間違えたり失敗したり怒られたりしても、憎めないところがある。そういう純粋さ、子供のあどけない感じを意識しながら演じていました」
―――確かに鷹野は自分を良く見せようという考えがありませんよね。実生活でも彼女から学べる部分は多い気がします。
「鷹野は自分自身を大切にしていて、嘘がないんです。第1話で『私がこの会社を必要としている。だから会社に必要とされてるかは考えないようにしてる』というセリフがあって、響いた人も多かったかと思います。生きていると、どうしても学校や会社、家庭など外側に意識が向きがちだけど、彼女は自分自身がどうありたいかを考えて行動している。予知できないもの、未知なことって誰でも怖いはずなんですが、そこに飛び込むことができるのが彼女のすごいところだと思います」
―――菜々緒さん自身、鷹野を演じたことで何か心境の変化はありましたか?
「仕事に対しても自分に対しても迷っている時期に鷹野ツメ子と出会って、『鷹野のように生きなさい』と言われている気がしました。自分自身が鷹野を演じて感じたものもエッセンスになりましたし、見ている方にも元気を与えられたり、何かを考えるきっかけになったことがすごく嬉しくて。思い入れのある役柄になったなと思います」