名物キャラ・ヒロコママ(深沢敦)を信じる亀山が素晴らしい
そんな今回の見所は2つ。1つはヒロコママ(深沢敦)の活躍だ。
ヒロコママは『相棒』ファンならお馴染みの名物キャラクターで、オカマバー「薔薇と髭と…。」を経営し、今回で11回目の登場となる準レギュラーだ。
今回は彼女の優しさと活躍が非常に際立っていた。
彼女はNPO法人が運営する「たすけあい食堂」に力を貸しており、今回そこが脱税の隠れ蓑として使われた事で主犯である幸田を問い詰めようとした結果、死体の第一発見者かつ容疑者として追われるハメとなってしまった。
容疑者として警察から追われても、彼女は現場に知人である泉川の遺留品を見つけてしまった事で彼に自首してもらおうと奮闘する。
また泉川に対しては殺人だけでなく10年前の強盗についても容疑を完全に晴らそうと持ち前の顔の広さで、もう1人の容疑者である矢野の元カノを見つけ出して特命係を呼び出すなど正しく獅子奮迅の大活躍である。
更に今回は内容も少し暗めになっているが彼女が明るく元気なだけで和む緩和剤としても機能しており、おまけに”ヒロコスペシャル”なる絶品料理を披露するなど、存分にフィーチャーされている (因みにヒロコママはオカマバーを開く前は焼肉店経営者なので料理上手なのはある意味当然である) 。
そして何より、亀山君が一時的とはいえ容疑者であるヒロコママを自然に信じているのが素晴らしい。
彼は徹頭徹尾「ヒロコママが人を殺す訳ない。寧ろ犯人と遭遇して拉致されているんじゃないか」と心配している。
この亀山君の人情味とヒロコママの懐の広さを描けるのは初期の亀山薫を描きかつヒロコママ回をこれまでも複数回描いた岩下脚本だからこそと言える。