太宰府での思わぬ再会
そんな倫子の気持ちもないがしろにした道長。この回の序盤では、敦康親王(片岡千之助)が21歳の若さで亡くなるという悲しい出来事もあった。
彰子に対する恋愛感情も乗り越え、妻子を愛する穏やかな日々をようやく得たばかりだというのに。ナレーションで「道長によって奪い尽くされた生涯であった」と語られたように、本作は決して道長を聖人君主としては描いていない。
摂政の座を息子である頼通(渡邊圭祐)に譲ってもなお、太閤殿下として絶大な影響力を誇る道長。頼通の悩みの種である顕光(宮川一朗太)を左大臣の座から引きずり落とすために、「失態の度、皆の前で左大臣を厳しく難じよ。そのうちいたたまれなくなって辞めるやもしれぬ」とアドバイスする道長の顔は未だ権力者の顔だ。
一方、乙丸(矢部太郎)を連れて広い世界へと飛び立ったまひろは太宰府で周明(松下洸平)と再会を果たす。「越前編」において、日本と宋の交易を実現するために道長と深い仲にあるまひろに近づいた周明。だが、その素性が明らかになるまで2人は言語や文化の壁を超え、にわかに男女の仲になりつつあった。ここにきてまさかの再燃となるのか。
また太宰府といえば、自ら志願して大宰権帥となった隆家(竜星涼)、それに追随した平為賢(神尾佑)に武者として仕える双寿丸と濃いメンツが揃っている。予告を見る限り、次週は何やら激しい展開となりそうだ。
(文・苫とり子)
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