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弱さを引き出して理解してくれるコウタロウ

『9ボーダー』第7話より ©TBS
『9ボーダー』第7話より ©TBS

 思い返せば、2人の距離がグッと縮まったのも、「寂しくない」と強がる七苗に、コウタロウが「嘘、本当は寂しい?」と問いかけてからだった。

 痩せ我慢をしてしまう七苗にとって、「怖い」「寂しい」と本音を吐露させてくれるコウタロウは、かけがえのない存在なのだろう。強さを引き出してくれる人はたくさんいても、弱さを引き出し、その弱さを理解しようとしてくれる人には、そう簡単に出会えるわけじゃない。

 「約束しよう。これからは、本当のことを言う。遠慮はなし」

 “これから”もずっと一緒にいるつもりの2人だが、さよならをしなければならない日が着々と近づいている予感がする。

 八海(畑芽育)がSNSに投稿したコウタロウの動画を見た人から届いた「ギターを弾いている人(=コウタロウ)を知っています」「うちの兄に似ています。会いたいです」というメッセージ。これまでベールに包まれてきたコウタロウの過去がついに明らかになるのだろうか。

 最初は、はやく正体を知りたいと思っていたはずなのに、コウタロウのことを好きになりすぎてしまったからか、本当のことを知るのがちょっぴり怖い。いまのコウタロウは、ピュアで優しくて、どうしようもないくらいに七苗を愛している。

 それなら、過去のことなんてどうでもいいじゃん……という気持ちもあるが、人間にはみんな過去があり、その歴史には抗えない。今はただ、どうかいい人であってくれと願うのみだ。

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