ただの当て馬キャラで終わらない木戸大聖“陽太”の魅力
中学の同窓会で、「陽太(木戸大聖)って七苗のこと好きだったよね?」と聞かれ、「まさか、そんなことないでしょ」と答えた七苗。陽太の好意って、わりとダダ漏れだったのに、まったく気づいていない七苗は天然というかなんというか…。恋愛フィルターを通して陽太を見ることがなかったから、気づけなかったのだろうか。
それにしても、ほかの女子から告白されたときに「ごめん、七苗のこと好きだから」と断っていた陽太を想像するだけでもしんどい。しかも、それが今まで七苗の耳に届いていないということは、「あいつは気づいてないから、言うなよ」なんて口止めをしていたのだろうか。
七苗に「てか、わたしのこと好きだったの?」と訊かれ、「そうだよ」と即答するあたりも陽太らしい。過去の話なんだから、「忘れちゃった」とか「なわけないじゃん」とか濁すこともできたはずなのに、陽太は自分にも他人にも嘘をつかない。「誰よりも七苗のことを知っている自信があった。でも、いちばんの親友なんだと思う」という言葉も、本心から出た言葉だったのだろう。
陽太は、コウタロウに恋をしている七苗を近くで見てきた。コウタロウと話すとき、七苗は家族には絶対に見せないような乙女チックな表情になる。長い間一緒にいても、七苗のそんな表情を引き出せたことがなかった陽太は、自分と七苗は恋にはならないと悟ったのではないだろうか。
通常の当て馬キャラなら、恋に苦しんでいるヒロインを見て「俺にしとけば?」なんてどさくさ紛れの告白をしたりするものだが、弱みにつけこむことなく「腐れ縁よりも親友!」と言い切る陽太はやっぱりカッコいい。