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三姉妹の恋の行方

『9ボーダー』第9話より ©TBS
9ボーダー第9話より ©TBS

 やっぱり、朔(井之脇海)はただ可愛いだけじゃない。欲しいものがあったら、すぐに手を伸ばす。振られたらどうしようとか、断られるのが怖いとか、そんなことは考えない。今の気持ちは今伝えるというスタンスが、ちょっぴり強引に感じてしまう場面もあるが、恋に臆病になっている六月(木南晴夏)からしたら心地いいのかもしれない。

 付き合って間もないのに、「僕と結婚してください」とプロポーズしちゃうあたりも朔らしくて素敵だけれど、どうも踏み込めないのは彼が海外で働くという夢を持っているから。付き合うだけなら、ただ楽しいだけでいい。でも、結婚となると、家族のこととか仕事のこととか将来のこととか、たくさん考えなければならない問題が出てくる。

「この先どうなるか謎の年下男子に依存して、すべてを捨ててついていくエネルギーはないよ」

 お互いに好きなのに、一緒にいられないのがいちばん辛い。それは、六月だけでなく、七苗も同じだ。「将来が見えない」というのは、カップルの別れの原因の上位でもある。

 八海(畑芽育)のように若かったら、「将来なんて誰も分からないんだから、好きなら飛び込んじゃえよ!」とアドバイスを送りたくなる気持ちもあるが、背負うものが増えてきた七苗たちには、簡単には飛び込めない理由がたくさんある。

 さて、いよいよ最終回を迎える『9ボーダー』。三姉妹の恋、そしてリニューアルしたものの、集客が伸び悩んでいるおおば湯の未来はいかに。モヤり、焦りながらも前に進んできた三姉妹たちの選択を最後まで見守っていきたいと思う。

(文・菜本かな)

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