「何かを得るためには、何かを捨てなくては…」
変わりゆく“女の幸せ”のあり方
「この先、就職するしない。結婚するしない。出産するしない。すべてをやるやらない。どんどん迷路みたいに分かれて、みんなどっかでつっかえてる」
どこか低体温の19歳・八海の客観的な指摘が、グサっと刺さる。“女の幸せは、結婚して子どもを産み育てること”という固定観念が薄れつつあるいま、わたしたちは自分の手で、自分だけの幸せを探していくことを求められる。
六月のように、大好きな人と結婚したって、永遠に安泰というわけではない。バリバリ働いて仲間に囲まれている七苗だって、周囲から「寂しそう」と言われてしまう。
この世界にあるすべての幸せを手に入れることができればいいのだろうけど、そんなことは不可能だ。
何かを得るためには、何かを捨てていかなければならない。“9ボーダー”の三姉妹は、新しい世代を前に、自分にとっての幸せを見つけることができるのだろうか。