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長谷川博己の新たな代表作に

『アンチヒーロー』第10話より ©TBS
『アンチヒーロー』第10話より ©TBS

 考察合戦の中で常に話題となっていたのは、登場人物数人の名前に「色」が使われていることだった。結果、名字に色が付いていた登場人物は全て明墨の味方だった。さらに、その人物と色がシンクロするようなキャラクター設定だったことも見逃せないポイントだ。

 また、志水と紗耶、倉田と紫ノ宮、さらに言えば伊達原にも娘がおり、愛する娘のためならやってもいない罪を認め、また、悪事にも手を染めてしまう人間の業を描いている点も、印象に残った。

 特に伊達原の最後は、検事正として自信満々だった様子は影を潜め、1人の父親として、必死に守りに入る姿は印象的だった。この役に狂言師の野村萬斎を起用したキャスティングは大成功といっていいだろう。

 数多くの裏切り劇、父親としての愛、さらにはスカッとした勧善懲悪劇を描き視聴者を虜にしたが、その中心にはしっかりした法廷ドラマが芯として存在した本作。前評判通り、何が正義で何が悪なのか、わからなくなってくるシナリオだったが、その答えは視聴者一人ひとりの中にあるのだろう。

 ラストシーンで、赤峰も“アンチヒーロー”となったことで、「続編への布石か?」と気の早い憶測も飛び交うだろうが、やはりこの役柄は長谷川博己の好演によるところが大きい。既に大河ドラマの主演を務めるなど、一流俳優としての活躍ぶりを見せている彼だが、その代表作の1つに、本作が加わったことは間違いないだろう。

(文・寺島武志)

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