徐々に明かされていく明墨の過去
明墨は、正一郎を犯人と断定するような考えを、「君がやっていることは犯罪者と何も変わらない。いや、法律に詳しい分、余計にタチが悪い。そういう考えが冤罪を生む」と激しく非難する。正一郎に対し、個人的に恨みを持っている赤峰が、証拠に基づかない偏見によって調査していたことを鋭く指摘したのだ。
明墨は、第一発見者の山野辺も工藤に恨みを持っていたことを知り、彼の犯行であるという仮説を立てる。
そして迎えた第3回公判、検察側が、父親・誠司の秘書の小杉(渡辺法斗)が証人買収をしていた証拠の映像を公開する。赤峰らに見せたドラレコの映像も加工されたものであることが分かり、明墨は態度を一変させ、オーバーに見えるほどに動揺し、弁護人辞任を示唆する。
明墨に裏切られた形となった誠司は政治生命の危機にさらされ、明墨に猛抗議するが、時すでに遅しだ。明墨は緑川に「依頼人の虚偽をお知らせくださり、ありがとうございます」と、完全に兜を脱ぐのだった。しかしながら終始、明墨の“演技臭さ”が付きまとっていた印象だ。
明墨の真の目的は、あえて味方をも騙してまで、あくどい政治家とその息子の犯罪を白日の下に晒すことだったのだ。しかし明墨とて悪魔ではない。正一郎との面会では「子は親を選べない。これからは自分で選択をして下さい」と、優しい言葉を掛け、独り立ちすることを後押しするのだった。
その後、赤峰は、明墨の事務所に入った理由を明かす。かつて担当し、敗れた正一郎の暴行案件を再審に持ち込むため、明墨に近付き、そのノウハウを吸収しようとしたのだ。また、パラリーガルの白木(大島優子)から、明墨がかつて検事だったことを教えられ驚くのだった。