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次回、検事時代の明墨がついに明らかに

『アンチヒーロー』第7話より ©TBS
アンチヒーロー第7話より ©TBS

放送開始前の会見で、主演の長谷川博己は、「かなり斬り込んだ問題作になる」と語っていた。この言葉を額面通りに受け止めれば、1人のアウトロー弁護士が、検察・警察・裁判所といった権力全てを敵に回すストーリーが想起される。現時点では、「国家権力=悪」という明墨の思いを視聴者に刷り込ませることには成功している。

明墨のような元検察官の弁護士(いわゆる“ヤメ検”)は少なくないが、その理由として、検察官は国家公務員であるため、プレッシャーや激務に耐え、どれだけ出世したとしても、最上級の等級の年収は3000万円にも満たない。当然のことながら副業など厳禁で、地方に転勤になることもザラだ。

こうした事情から、検事時代に培った裁判ノウハウを糧に独立し、自分の希望の地域に根を張り、公務員時代には得られなかった高収入を目指す弁護士が多いのも確かだ。

しかし明墨は、このような理由で検察を辞めたとは思えない。おそらくは、ムラ社会と揶揄される検察の世界に絶望し、転身を決意したのではないだろうか。そのきっかけが、自らが検察官を担当し、志水を死刑判決に導いてしまった糸井一家殺害事件だったのだろう。

ドラマ冒頭から検事正の伊達原から敵視され、“明墨は危険な男”という見方をされていたことも、優秀な検察官だった明墨が、弁護士としてこの事件の真相を突き止めようとしているからだと想像できる。

これまで明かされなかった検事時代の明墨が次回、いよいよ回想シーンとして登場する。明墨はどんな検事で、なぜ検事を辞すことになったのかも、徐々に明らかになっていくだろう。検事時代の伊達原との関係性も含めて、本作のカギを握る重要なシーンとなりそうだ。

さらに、視聴者にとって見どころは「江越」とは何者で、物語にどう絡んでいるのかだ。加えて、誰が演じるのかも興味をそそるところだ。現時点、公式HPで発表されているキャストの中で役名が付いていないのは迫田孝也のみだが、江越役を迫田が演じると100%断じることはできない。

藤木直人など、思わぬ場面で予告にないキャストが登場した例もあったからだ。次は一体どのような手段で、製作陣は我々視聴者を驚かせるのか。気になるところではある。

(文・寺島武志)

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