12年前、明墨の過去

　第8話は、赤峰が緋山に、死刑判決から免れた引き換えに、12年前の糸井一家殺害事件に関係していることを問い詰める場面から始まる。

　一方、紫ノ宮飛鳥（堀田真由）は、12年前の事件に関して記されたファイルを漁っているところをパラリーガルの青山憲治（林泰文）に見付かり、その青山から、そのファイルを作ったのは明墨の元同僚・桃瀬礼子（吹石一恵）だと知らされる。そしてその後、桃瀬が亡くなったことも明かされた。

　12年前、志水を取り調べたのは、検事時代の明墨だった。明墨は、自身の強引な事情聴取で志水を死刑に導いたことを、娘の牧野紗耶（近藤華）に詫びる。判決の6年後、明墨は自身の過ちに気付く。それに気付かせてくれたのが桃瀬だった。

　緋山は赤峰に、事件に至る前の生い立ちから語り出す。緋山は大学を卒業したものの就職浪人しており、当時は日銭にも困っていた。そこに江越からの依頼で盗撮動画を撮り、渡していたのだ。明墨がかつて、紫ノ宮の父にして千葉県警の元刑事課長・倉田功（藤木直人）に「証拠を隠蔽するんですか！？」と詰め寄ったものこそが、その映像だったのだ。

　続いて緋山は社長殺しを認めた上で、明墨との出会いを明かす。明墨は、闇サイトに公開されていたある盗撮動画を探しており、緋山が投稿した動画の1つに糸井一家殺害事件での志水のアリバイを証明し得る映像もあった。しかし緋山は「江越に渡した」と告げる。明墨は「ならばその“江越”を探してくれ」と依頼する。かくして明墨は、緋山を無罪にすることで、証拠となる盗撮映像を手にするために利用する。

　志水の無実を証明するための一連の動きを知った赤峰と紫ノ宮は、明墨に協力することを決める。しかし赤峰は「この件が終わったら、緋山に罪を償わせること」を約束させる。

　緋山と明墨らは江越を探し始める。そして、「鴨井翼」と偽名を使った赤峰が、今では投資詐欺に手を染めている江越（迫田孝也）に接触することに成功する。