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一瞬たりとも見逃せない…未回収の伏線は? 次に裏切りそうな人物は? 日曜劇場『アンチヒーロー』第9話考察レビュー

text by 寺島武志

長谷川博己主演の日曜劇場『アンチヒーロー』(TBS系)が放送中。本作は、長谷川演じるダークな弁護士が殺人犯を無罪にするという“逆転パラドックスエンターテインメント”。今回は、最終回を目前にして衝撃の展開を見せた第9話のあらすじと本作の見どころを紹介する。(文・寺島武志)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】

明墨が窮地に落とされる――。

『アンチヒーロー』第9話より ©TBS
『アンチヒーロー』第9話より ©TBS

 元同僚の桃瀬(吹石一恵)の遺志を継ぎ、12年前に起きた「糸井一家殺害事件」の冤罪を証明し、死刑囚・志水(緒形直人)を救おうとする明墨(長谷川博己)。その唯一の証拠である動画が伊達原(野村萬斎)によって潰され、真実を明らかにすることは、もはや不可能ともいえる状況に陥る。

 しかし、赤峰(北村匠海)と紫ノ宮(堀田真由)も、それぞれの方法で12年前に起きた同事件を調べ直す。それまでは互いに損得勘定で繋がっていたような印象だった明墨法律事務所の弁護士たちが、ついに同じ方向を向いて突き進む。

 明墨にとっては、検事時代に志水に自白を強要した自身への贖罪の意味もあった。

 3人の目的は、志水の再審、そして冤罪の証明なのだが、最終的にはその奥にいる検事正の伊達原(野村萬斎)を潰すことだ。しかし、伊達原も重要な証拠となる映像を自らHDDごと破棄するなど、検事として“暴挙”といっていいほどの行動に出る。伊達原としても、検事正としての自分を守ることに必死であり、それが伊達原にとっての“正義”なのだろう。

 その狂気に満ちた表情を、伊達原の部下である検察官の緑川(木村佳乃)が、冷ややかな目で見つめていたのが印象的だった。

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