桃瀬が遺した手がかり
第9話は、伊達原が大勢の検事の前で、“人質司法”の過ちを訴え、「検察こそ正義」とぶち上げる場面から始まる。
明墨は、証拠を失ったことを志水に詫びるが、志水は娘の紗耶(近藤華)に会えたことで「もうこれで十分です」と、感謝の意を伝える。明墨は「あなたには、これ以上の幸せを受け取る当然の権利がある。どうかあと少し時間をください」と頭を下げる。
動画があれば、同時刻に志水が娘が失くしたぬいぐるみを探しに公園にいたことを証明できる。しかし、動画は伊達原の手によってこの世から失われた。
赤峰は桃瀬の実家を訪ね、母(麻生祐未)から、桃瀬の日記を受け取る。そこには、検事時代、伊達原の不正を匂わせる記述が書かれていた。
その件を、当時の明墨に相談するが、けんもほろろに一蹴されていた。その後、桃瀬は1人で調査を続け、盗撮動画について、事件当時、取り締まりに関わった刑事の深澤(音尾琢真)に接触したことで、志水の無罪を確信していた。
その後、不自然な時期に異動の辞令を受け、さらに桃瀬を病魔が襲う。死期を察した桃瀬は、これまでの調査結果を明墨に託す。
桃瀬は「明墨君には、志水さんに自白させた責任がある」と告げ、その直後に亡くなるのだった。
遺された手紙には、尽きる直前にやっと書いたような筆跡で、司法の横暴さを批判しながら、「どうか私達が司法の信頼と誇りを取り戻せますように」と将来への希望が記してあった。そして、日記には「私もこの目で見たかった、明墨君と」と締めくくられており、文字が涙で滲んでいた。それを読んだ明墨の涙によって文字がさらに滲む。
明墨は、事務所で「似てる?」と書かれた付箋が落ちているのを発見する。この付箋は何を意味するのか…。