発端は「龍神大橋」の建設プロジェクトでの崩落事故
狩山は、東京都による一大プロジェクト「龍神大橋」の建設に設計家として従事し、数年にわたる奮闘の日々を送ってきた。ところがある日、龍神大橋の建設現場で崩落事故が発生し、犠牲者を出す大惨事となる。その罰を、橋を設計した狩山が被る形となったのだ。
実は、龍神大橋建設は予定通りに進んではいなかった。一次下請業者である坂東組がストライキを起こしていたのだ。現場に足を運んだ狩山は、坂東組社長の坂東五郎(北大路欣也)に腕相撲で勝負を挑む。
場面は狩山が収容された国立刑務所に移る。そこで狩山を待ち受けていたのは、処遇部門第3区の区長で、“鬼の刑務官”として、悪の限りを尽くした受刑者をも恐れる林一夫(上川隆也)だった。
刑務作業として木工製品を作る狩山は、その手腕を生かし、他の受刑者の見本となる。面会に来た妻で、聖修大学病院循環器センター看護師長を務める玲子(天海祐希)は、判決内容に不満を漏らしながらも、離婚届を突き出す。狩山もまた、自分は無実であると訴える。
玲子はさらに、自身がガンであることを告白し、狩山は動揺する。既にすきま風が流れていた夫婦関係だったものの、戻らない時間に狩山の後悔は尽きない。「会えるのはこれで最後かも」という言葉を残し、玲子は去っていく。その後、我を失った狩山は刑務所内で暴れる騒ぎを起こし、懲罰房に入れられる。