事故の真相は闇に葬られてしまうのか?
場面は過去に移る。狩山が龍神大橋建設計画をプレゼンし、それを狩山の理解者にして、帝和建設社長の磯田典孝(小日向文世)が後押しする。狩山による新工法での建設が決まる。
坂東組の協力も取り付けて始まった橋の建設。しかし、橋が形になりつつあった時、突然、全てのケーブルが切れ、橋は海に沈む。狩山らは呆然とするばかりだ。
不幸なシーンでありながらも、橋崩落の壮大な描写は、見る者を圧倒する。製作側の力の入れようを感じられるシーンだ。
狩山は磯田からの聞き取りで、ケーブル納入担当業者が、費用圧縮のために強度不足のケーブルを使用していたと指摘する。しかし、設計変更を事故の理由としたい磯田は、ケーブルの件を揉み消させ、狩山に全責任を押し付ける。
狩山は、自らの意思に背き、ケーブルの発注書を消去する。磯田は、狩山に「執行猶予は付くはず」と言われ、名誉回復の口約束をするが、その約束は全て反故にされる。狩山は磯田が作ったハシゴを登らされ、そしてそのハシゴを外されたのだ。
狩山は、弁護士の秋澤良人(斎藤工)に裁判のやり直しを求める。磯田への復讐の思いもあるだろうが、狩山の真意は真実を明らかにするためだ。その動きを察知した刑務官の林は、秘密裏に外部に報告する。
雑居房に戻った狩山は、他の受刑者にケンカを売られるが、その腕っぷしの強さを見せつける。そして、最も怖いのは、凶暴な受刑者ではなく、林だという噂を耳にする。
警視庁では、事故の真相を追い求める捜査一課の刑事・黒木正興(竹内涼真)がすさまじい執念で捜査を続ける。同僚からは、「もう裁判も終わっている」と言われても、「本当に…終わっているんですかねぇ」と返す。狩山は林に呼び出され、刑務所内での揉め事の全ては狩山にあると断定され。「存在を反省せよ」と人格を否定する言葉を投げつけられた上に、届いた手紙にも検閲が入る。
まるで、磯田とつながっているかのような不自然さだ。さらに、弁護士の秋澤から、「再審請求は難しい」という報告を受ける。資料の提供を磯田が拒んでいるというのだ。狩山が感じた絶望感とともに、第1話は終わる。