林が”贖罪”として脱獄の手助け
一刑務官、しかも定年間近の身でありながら、狩山の行動について、外部の人物と逐一報告する林。病室内でも、林は狩山から一瞬たりとも目を離さない。彼の目的とは一体どこにあるのか…。
そんな中でも脱出の機会を伺う狩山に対し、林はズバリと脱獄の目的を聞き出す。“何もかもお見通し”といった態度だ。しかし、なんと林は、狩山の脱走を見逃してやるというのだ。
林には、そうするべき過去があった。冤罪を訴える受刑者に何もしてやれなかったことで、逆恨みを買い、出所後に自宅に放火され、自身は大火傷を負い、妻を失っていたのだ。それ以来、林は受刑者に対して厳しい態度を取るようになったと明かす。狩山の脱走を許すのは、その“贖罪”だというのだ。
回想を口にした後、林は狩山に襲われたフリをし、窓を全開にして外に逃がす。狩山は大雨の中、体一つで逃げ出す。当然、国立警察署は、包囲網を張る。
狩山の脱獄を手助けしたとして、野口は懲罰房に入れられ、弁護士の秋澤(斎藤工)は面会も叶わず、周囲はにわかにざわめき出す。警察は玲子の職場にまで訪れ、話を聞こうとするが、脱走した事実を話せるはずもなく、玲子は不審に感じる。
秋澤は帝和建設に戻り、社長の磯田(小日向文世)らに、“脱獄”の可能性を示す。一方、狩山の事件を執拗に調べていた刑事の黒木正興(竹内涼真)も、国立警察署からの協力要請によって、狩山の捜索を担当することになる。
黒木は林を聴取した後、秋澤にも連絡し、警察には脱獄に事実を公開するように告げる。これによって、「狩山脱獄」のニュースが、全国に流れる。