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狩山の「脱獄」は今後どう処理されるのか

木村拓哉
木村拓哉【Getty Images】

半田の登場で、物語の混迷度は一層深まる第4話のラストシーンだった。こうして、狩山にとって、激動の1日は終わるのだが、これまでの本作を俯瞰してみると、どういう結末を迎えるのだろうかと案じる点もある。

窮地から生還した狩山が無実の証明をできたとしても、脱獄犯であることには変わりない。崩落事故に関して再審が行われ、無罪判決を勝ち取ったとしても、脱獄となれば話は別だからだ。

脱獄に関しては、刑法第97条に定められている「逃走罪」が適用され、「単純逃走罪」の場合は1年以下の懲役と規定されている。しかし狩山の場合、協力者がいたことから「加重逃走罪」が適用され、より重い刑罰が待っている。

そして、脱獄を手助けしたとして、“鬼の刑務官”林や、受刑者の小野俊夫(小野武彦)や野口ヒロト(濱田龍臣)も罰せられることになる。“冤罪”だった崩落事故とは違い、この罪からはどうしても逃れることはできないのだ。

このドラマがどういう形で“ハッピーエンド”を迎えるのか、原作のないオリジナル脚本であるため、現時点では想像するしかない。

しかし、崩落事故の原因を隠蔽した社長の磯田ら帝和建設上層部だけが罪に問われ、その目的のためとはいえ脱獄犯の狩山には“お咎めなし”といったエンディングだったとしたら、視聴者は拍子抜けしてしまうだろう。“やっぱりキムタクドラマだったか…”と落胆の声が上がることは必至だ。

そもそも、自らの潔白を証明するために脱獄という手段を選んだ人間がヒーロー視されるようなシナリオは、全国の刑務官や警察・検察の立場からみれば、たまったものではないだろう。

崩落事故の真相がどのようにして明らかにされるかが、本作最大の注目ポイントであるのは確かなのだが、この問題が解決した後、狩山、そして玲子がどういう人生を歩むことになるのか。まだ物語中盤であり、気が早い話であることは承知の上だが、中盤以降、「脱獄」という重罪をどう決着させていくのかも、本作の見どころの1つだ。

(文・寺島武志)

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