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“ハッピーエンド”とは言い切れないエンディング

『Believe -君にかける橋-』【番組公式Instagramより】
Believe 君にかける橋番組公式Instagramより

 一瞬、「編集ミスか!? 」と感じるほど突然の場面転換に少々戸惑う展開だったものの、社長の磯田が小悪党に身を落とす姿、これだけの事故を引き起こしながらも責任が及ばない政界の闇、最後には妻を失いながらも夢を追い続ける主人公・狩山陸の生き様を、怒涛のように見せた最終回だった。

 しかしながら、未回収の伏線も多かったのは事実。「結局、黒木という男は何者で、なぜあれほど狩山にこだわっていたのか」「娘を殺された半田は、その後どうなったのか」「結果、味方だった秋澤との関係はどうなったのか」など、モヤモヤする事柄も積まれたままという印象も残った。

 せっかくの最終回拡大版だ。あまりにもアッサリと幕を閉じた感は否めない。

 玲子が死んだことで、“ハッピーエンド”とは言い切れないエンディングを迎えた本作。しかし、そんな不幸すら受け入れ、命懸けで取り戻した「橋屋」の肩書きを手に再生する1人の男を、木村拓哉がこれまでのイメージを覆す「脱獄囚」の役も含めた熱演が光り、さらに役者としての引き出しを増やした格好だ。

 話題となっていたティザービジュアルでは、「Believe」の中で黄色に染められた部分だけを読むと「live」となっていることに気付く。狩山が脱獄という罪を償った上で、再び立ち上がり歩んでいくというテーマが、「live」という言葉に込められているドラマだった。

(文・寺島武志)

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