山田涼介と木南晴夏の軽快な会話劇
そんな加賀美が担任として受け持つことになったのは、「やる気ゼロ、才能ゼロ、将来性ゼロ」の生徒が集められ、通称“ゼロ組”と呼ばれる3年0組。落ちこぼれの烙印を押され、大人たちから見放された生徒たちに異色の教師が向き合うという、学園ドラマとしては王道の筋書きだ。
印象的だったのはシネマティックで重厚感のある映像と、脚本家・我人祥太の元芸人らしいコミカルな会話劇とのギャップ。中でも見どころとなるのが、加賀美と秘書兼ボディーガードの芹沢一花(木南晴夏)の軽快なやりとりだ。
木南は『探偵学園Q』の第7話にゲスト出演し、山田と初共演。2019年放送の『セミオトコ』(テレビ朝日系)では山田演じるセミから人間となった青年とのラブストーリーに挑戦している。今回が3度目の共演とあって2人のコンビネーションは抜群だ。
一花は、正体を隠す必要があるにもかかわらず、横柄な態度で生徒たちに接し、すぐCEOっぽさが出てしまう加賀美のツッコミ役。抱腹絶倒のアドベンチャーストーリー『勇者ヨシヒコ』(テレ東系、2011~2016)のムラサキ役でおなじみの木南が安定のコメディエンヌぶりを発揮した。
一方、周りを圧倒させる加賀美のカリスマ性を説得力のある佇まいで体現しつつ、彼の破天荒な性格をコミカルに表現した山田。そのバランス力は流石の一言で、人間的には問題ありだが、どこか憎めないキャラクターに仕上がっている。