ネクストブレイクの宝庫
生徒たちにも期待が高まる
また注目すべきは学生役のキャストたちだろう。昔から学園ドラマはネクストブレイクの宝庫であり、生徒役でインパクトを残した俳優はその後、一気にスター街道を駆け上がっていくケースが多い。
まず第1話で焦点が当たったのは、『もしも、イケメンだけの高校があったら』(テレビ朝日系、2022)や『マイ・セカンド・アオハル』(TBS系、2023)で注目を集め、2025年の大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』にも出演が決まっている水沢林太郎演じる西谷翔だ。
両親の離婚後、学費を稼ぐためにバイト三昧の生活を送り、その学業がおろそかになってゼロ組に転落してしまった西谷。そんな彼に早くも正体がバレてしまった加賀美は口止めも兼ね、“ティーチ”の指示に従って学費が無料になる都内へ引っ越しさせようとする。だが、西谷の本当の悩みは新しい恋人(忍成修吾)に夢中な母親(遊井亮子)との関係にあった。
その寂しさから、西谷は学校の窓ガラスを割って自主退学を申し出る。一方で、母親の恋人が詐欺師であると分かると、危険をおかしても母親を守ろうとする優しい青年だ。パッと見は普通の生徒だが、まだまだ不安定な思春期の揺れ動く感情を水沢がみずみずしく体現した。