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加賀美がティーチと同じAI?

『ビリオン×スクール』第10話 ©フジテレビ
『ビリオン×スクール』第10話 ©フジテレビ

 ソーラン節は団結力を深めるには持ってこい。ゼロ組の生徒たちも練習を通して仲を深めていくが、反対にどんどん表情を曇らせていくのが梅野だ。みんなからの謝罪を受け入れると決めたものの、どうしても許せる気持ちにはなれなかった梅野。

 同じくいじめを受けた側の人間である加賀美は、そんな彼女に「許さなくていい」「努力すべきなのは、全てを背負うべきなのは、傷つけた側の人間だ。許されないとわかっていても、贖罪し続けなければならない」と語りかける。

 よくある学園ドラマなら、このままゼロ組が文化祭で一致団結し、めでたしめでたしで終わっていたかもしれない。だけど、本作はそういう展開にしなかった。

 文化祭出場を見送り、いじめに加担した生徒たちにその罪の重さを自覚させる。きっと加賀美のこの判断に、救われた視聴者が大勢いるのではないだろうか。

 そして芹沢も加賀美がいじめられているときに何もできなかったことを謝罪し、一生自分を許す努力をしていくと誓う。コメディタッチではあるものの、現代の若者が抱える問題にしっかりと向き合った学園ドラマだと改めて感じた回だった。

 そんな本作もついに次週が最終回。「1つになれなくても1つのことを楽しむことはできる」という鈴木司(柏木悠)の提案で、生徒たちは教室で水鉄砲を撃ち合う。オープニングの伏線も無事に回収され、クラス内の問題は全て解決された。

 ただ、加賀美の本来の目的はAI教師の開発。だが、加賀美は今や自身の力で生徒たちと向き合っており、指示に従ってもらえないティーチが暴走しかけている。

 そんな中、ティーチがラストに衝撃の告白。なんと、加賀美がティーチと同じAIだというのだ。「AIよりも最後はやっぱりヒューマン」をコンセプトに掲げる本作が、この事実を引き連れてどんな結末を迎えるのかを心して見届けたい。

(文・苫とり子)

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