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笑うのが憚れるほど最悪な教師たち

『ビリオン×スクール』第2話 ©フジテレビ
『ビリオン×スクール』第2話 ©フジテレビ

 脚本家の我人祥太は元芸人で、直近ではTVerオリジナル作品『潜入捜査官 松下洸平』を手がけている。同作は俳優の松下洸平が実は警視庁の潜入捜査官で、とある大物俳優の疑惑解明のために任務として15年前から芸能界に潜入していた、という設定で繰り広げられるサスペンスコメディーだ。

 その中でも松下が「ギリギリ芸能界に入れそうだが、決して日の目を浴びることがなさそうなルックス」と言われて渋い顔を浮かべたり、逆に潜入捜査官だから目立ってはいけないのに、「『スカーレット』のせいで…(売れてしまった)」とぼやいたりと、フィクションと現実が混ざり合う場面があった。

 演出の瑠東東一郎と脚本の我人祥太。2人がタッグを組んだ本作は、やはりその場で作られたような“ライブ感”があり、役者たちの生の反応を堪能できる。何より役者自身が楽しそうで見ていて微笑ましい。

 だからこそ、勿体なく感じられてしまうのが、いまいち教師陣が愛されるキャラクターになっていないことだ。

 西谷と話している最中に、頭上から教卓が落ちてきてあわや怪我をしそうになった零。教卓を屋上から落とした犯人は、ゼロ組の生徒・梅野ひめ香(上坂樹里)だった。そのことがきっかけで、零はひめ香が同じクラスの東堂雪美(大原梓)、松下リナ(倉沢杏菜)、城島佑(奥野壮)、紺野直斗(松田元太)からいじめを受けていることを知る。

零はすぐさまAI教師のティーチ(安達祐実)のアドバイス通りにいじめ問題を解決しようとするが、いじめの被害者であるひめ香は差し伸べられた手を取ろうとしない。というのも、彼女はゼロ組に転落する前からいじめを受けていたのだが、当時の担任である溝口が何もしてくれなかったことから、助けを期待しなくなってしまっていた。

代わりに零がいじめの証拠を入手するも、土橋はなお認めたがらず、あろうことかひめ香に「本当にいじめかい?」「あなたの答え一つでクラスメイトの人生は狂ってしまいます」と誘導尋問する。どちらもやっていることが教師として最悪すぎて、「この人たちはふざけている場合なのか?」と思ってしまった。

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