“ビリオネア=億万長者”らしい
痛快なクライマックスシーン
結論から言えば、映画のセットやデータを壊したのは直人ではなかった。犯人はなんと司。その理由は製作中の映画が自分の納得いくものではなかったから。映画で使用した脚本は本来、直人に演じて欲しくて書いたものだった。
それに気づいた一花の提案で、零は大胆な行動に出る。司の本音を引き出すために、うめ香や翔を巻き込んで直人の誘拐ドッキリを敢行したのだ。
とはいっても単なるドッキリではなく、その規模が凄まじい。たまたま日本に撮影で来ていたハリウッド制作チームの協力の下、椅子にしばりつけた直斗を銃で狙い、アクション映画レベルの大爆発まで起こす。第1話のステージパフォーマンス、第2話のビル解体シーンもそうだが、このドラマは制作費をかけ、零の”ビリオネア=億万長者”というキャラクターをしっかりと演出している。
だが、最後はやっぱり言葉の力。「誰といるのか、どこに属するのか。そんなことで人の価値は変わらない。誰の目も気にせず、いたいやつと一緒にいろ!」という零の台詞はシンプルだが、カーストという目に見えない階層に躍らされがちな若者の心に直球で届いたのではないだろうか。
その後、直人と司が先陣を切り、映画に携わった生徒たちがカースト表に貼られた自分の写真をゴミ箱に捨てるシーンは痛快だ。彼らは勇気を持って、くだらない順位争いから降りた。少しずつゼロ組の風向きが変わり始めている。
(文・苫とり子)
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