山田涼介が醸す大人の色気がヤバい…視聴者ニヤリの“朝ドラオマージュ”とは? 『ビリオン×スクール』第5話考察レビュー
山田涼介主演のドラマ『ビリオン×スクール』は、日本一の財閥系企業のトップである億万長者が、身分を隠して高校教師となり、生徒と様々な問題を通して成長する痛快・学園エンターテインメント。今回は、第5話のレビューをお届けする。(文・苫とり子)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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【著者プロフィール:苫とり子】
1995年、岡山県生まれ。東京在住。演劇経験を活かし、エンタメライターとしてReal Sound、WEBザテレビジョン、シネマズプラス等にコラムやインタビュー記事を寄稿している。
“パパ活”の裏にある承認欲求
“パパ活”というワードが世間に定着して久しい。若い女性が金品を受け取る代わりに、男性と食事やデートをする。『ビリオン×スクール』(フジテレビ系)第5話は、そんな“パパ活”の裏にある承認欲求がテーマ。AI教師の開発のために夏休み中も生徒たちの動向に目を光らせる加賀美零(山田涼介)と芹沢一花(木南晴夏)が、パパ活女子の松下リナ(倉沢杏菜)と向き合う。
リナといえば、東堂雪美(大原梓)や城島佑(奥野壮)らと、梅野ひめ香(上坂樹里)をいじめていた生徒の一人。以前から彼女には高校生らしからぬ非道ぶりをのぞかせる雪美や佑とは異なり、長い物には巻かれて、自分も強くなったつもりでいるような節があった。
パパ活の目的も単に欲しいものがあるわけではなく、SNSにブランド品や高級な料理の写真をアップし、“いいね”が欲しいという承認欲求の表れ。それを見抜いたティーチ(安達祐実)のアドバイスに従い、零はリナにお金をかけずにいいねを稼がせようとする。
その方法とは、ひめ香がいじめられた仕返しにリナに水鉄砲を浴びさせる動画をアップすること。ともすれば炎上しそうな動画だが、知らない人が見れば高校生たちが青春を謳歌しているようにしか見えない。最初はウザそうにしていたリナも徐々に楽しそうな姿を見せる。
その姿から、彼女が本当は普通の高校生活を望む純粋な子であることが伝わってきた。一見理解できないほど、こじらせた承認欲求も、両親に自分を認めてほしいという普遍的な感情が形を変えたもの。だが、SNSでどれだけ有名になっても両親が自分を見てくれない孤独感を強めたリナはバイト先の仲間に頼まれて美人局に加担し、トラブルに巻き込まれてしまう。