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大人と子どもの間を行き来する山田涼介の魅力

『ビリオン×スクール』第5話 ©フジテレビ
『ビリオン×スクール』第5話 ©フジテレビ

 その頃、零は病院で治と最後の時間を過ごしていた。「僕は父さんの期待に応えられたでしょうか?自慢の息子になれたんでしょうか?」と問いかける零の頭を、治は何も言わずにそっと撫でる。その瞬間、零が小さな男の子に見えた。ティーチの見た目もどこか亡くなった母親と似ているように、零の心はきっと寂しくも両親が大好きだった子どもの頃のままなのだろう。

 だが、治が力尽きたのを見届けた零は取り乱したりしない。治の手を何度も握り返しながら、涙が出ないように必死で冷静を装う姿に胸が締め付けられそうだ。

 治を看取った零はリナの元へ駆けつける。再び襲ってきたヤクザたちを倒し、「よく頑張った」とリナを褒める零はしっかり大人の顔をしていた。山田が演じる零はこうした子どもと大人の間を何度も行き来する。

 大人気ない一面もある零だが、逆を返せば自分が子どもだった時の気持ちを忘れずに生徒と向き合えるということ。一方で、いざという時は生徒を全力で守り、大人としての責任を果たす。

 かっこいいけど、母性本能をくすぐるところも多々あって目が離せない。若々しくも年齢を重ねるごとに大人の色気も増してきた今の山田だからこそ、演じられた役のような気がする。

 前回に引き続き、第5話は零と校務員・内巻雫(神木隆之介)のやりとりも話題となった。水鉄砲のかけ合いで奇しくも屋上にある花壇に水やりをする形となった零。そんな零に内巻きはお礼を言い、花について熱弁を振るう。

 神木は昨年、連続テレビ小説『らんまん』(NHK総合、2023)で植物学者を演じており、同じ植物(花)好きということで思わずニヤッとしてしまった視聴者も多いのではないだろうか。ちなみに同作の主題歌はあいみょんが担当しており、彼女の代表曲は「マリーゴールド」。花壇にも綺麗なマリーゴールドが咲いていた。

 マリーゴールドの花言葉は“友情”。「やっぱり、かがみっちょは僕の友達だ」とすっかり零に心を許している内巻は果たして何者なのだろうか。本作一番の謎である。

(文・苫とり子)

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